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はじめに|企業型DCは“大企業向け”という誤解
「うちのような中小企業には関係ない」
そう思われがちな、企業型確定拠出年金(企業型DC)ですが、実は中小企業にこそ導入メリットの大きい制度です。
2025年現在、転職が当たり前の時代において、
「福利厚生の充実」は人材獲得・定着の大きな要素になっています。
企業型DCは、企業の負担を最小限に抑えつつ、従業員の将来資産形成を支援できる制度。今回は、中小企業が企業型DCを導入する際の基本とメリット、そして導入時に押さえるべきポイントを、FP (ファイナンシャルプランナー) 視点で解説します。
企業型DCとは?|制度の基本構造
企業型DCとは、企業や従業員が毎月掛金を拠出し、従業員自らが運用先を選択し資産運用する私的年金制度です。公的年金(1階:国民年金、2階:厚生年金)に加え、3階部分として活用されます。
基本的な特徴は以下の通りです:
●掛金は企業や従業員が拠出
●運用先は従業員が選択
●原則60歳から一時金、年金として受け取り
企業型DCは大企業だけの制度ではなく、中小企業でも制度導入・運用が可能です。
中小企業が導入する3つのメリット
1. 退職給付制度の明確化とリスク回避
従来の退職金制度は、企業が将来に向けて積立・管理する必要があり、退職給付債務としてバランスシート上の負債にもなっていました。
企業型DCでは、掛金を支払った時点で企業の責任は完結するため、将来の積立不足や退職金債務に悩まされることがありません。
2. 福利厚生としての魅力が高く、採用力UP
企業型DCは、給与を増やさずとも“福利厚生の充実”として外部にアピール可能です。
また、転職・退職時に年金資産を持ち運べることから、若手にも受け入れられやすく、採用競争力の向上や人材定着につながる制度でもあります。
3. 拠出した掛金は全額損金算入が可能
企業型確定拠出年金における掛金は、全額を経費として処理することができます。これにより、会社としての利益を活用しながら、将来の人材育成や従業員の福利厚生に充てることが可能になります。近年、採用や人材の定着が難しくなるなかで、社員への長期的な還元を意識した制度設計は、企業の魅力を高める要素となります。利益を内部に留めるだけでなく、それを人材への投資に振り向けることは、中小企業にとっても持続的な成長につながる戦略的な資金の使い方といえるでしょう。
中小企業の導入で注意すべき3つのポイント
1. 導入には事務手続き・設計負担がある
企業型DCは制度設計が求められるため、
●労使合意の取得
●就業規則・給与規定の整備
●管理機関との契約
といった事前準備が必要です。
ただし、制度構築に慣れた中立的なFP(ファイナンシャルプランナー)の支援を受ければ、最適な導入タイミング(例:決算期)や社員説明会も含めて一括支援が可能です。
2. 継続的な教育体制が求められる
企業型DCでは、従業員が自分で投資商品を選ぶため、投資教育の実施が企業の努力義務とされています。
しかし、社内で対応が難しい場合でも、外部講師によるセミナーなどの活用で代替可能です。制度の“形だけ”ではなく、“社員が正しく使える状態”を整えることが重要です。
3. 制度の全体設計を“会社だけ”に任せない
中立的なFPであれば、保険・投資・退職金設計を含めた総合的な提案が可能です。中小企業こそ「1制度で完結しないライフプラン支援」が必要とされます。
従業員にも大きなメリットがある
●運用益が非課税
通常、投資による運用益には20.315%の税金がかかりますが、企業型DCでは非課税で再投資が可能。長期的に大きな差を生みます。
●将来の資産形成に有利
給与の一部が将来の年金資産として積み立てられ、老後不安の解消に貢献。
●転職・退職時も資産を持ち運べる
ポータビリティ(持ち運び性)も高く、キャリアの多様化に対応した制度です。
弊社のスタンス|制度を“形”だけで終わらせない
私たち一期コンサルティングでは、企業型DCの導入・運用にあたって、以下のようなサポートを行っています。
●FPによる制度導入・設計支援
●社員向けの継続的な投資教育プログラム
●保険・NISA・iDeCoなどとの併用設計
●経営者・従業員双方にとって“資産形成に意味のある制度”を設計
独立系FP事務所だからこそ中立的な提案が可能です。
中小企業が「社員の未来に責任を持つ」ための制度として、そして「企業としての信頼と魅力を高める仕組み」として、企業型DCを選ぶ企業が増えています。
企業型DCは、大企業のための制度ではありません。
「社員のためにできること」を真剣に考える中小企業にこそ、適した制度です。
📩 導入を検討してみたい方は、お気軽に一期コンサルティングまでご相談ください。
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【監修者情報】
[監修者名] (株)一期コンサルティング ファイナンシャルプランナー 船田勝太
[資格] AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャルプランニング技能士/公的保険アドバイザー/住宅ロ-ンアドバイザー
[経歴]
2014年~東京海上日動火災保険(株)
2017年~(株)一期コンサルティング
[専門分野] ライフプランニング/住宅資金相談/資産運用/保険相談
※ 注意
この記事は、一般的な情報を提供することを目的としており、特定の商品やサービスを推奨するものではありません。
個別の状況については、専門家にご相談ください。