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新NISAが始まり、「毎月コツコツ積立でいいのか」「年始に一括投資した方が増えるのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
結論から言えば、一括が正解か、積立が正解かは“人によって違う”というのが、私たち一期コンサルティングの考えです。
ただし、判断には“明確な基準”があります。この記事では、2026年以降も見据えながら、NISAにおける 積立と一括の違い・考え方・選び方 を整理します。
そもそも「NISAの一括投資」とは何か
NISAの一括投資とは、年間の投資枠を使って、あるタイミングでまとめて投資すること を指します。
たとえば新NISAでは、
●つみたて投資枠:年間120万円
●成長投資枠:年間240万円
合計で 年間360万円 まで投資が可能です。
このうち成長投資枠に、年始に240万円をまとめて投資することが一般的に言われる「NISA一括投資」です。
一方、毎月一定額ずつ投資するのが「積立投資」です。
積立と一括、どちらが増えやすいのか?

多くの方が気になるのは、「結局どっちの方が増えるのか?」という点でしょう。
長期の成長を前提にすると、理論上は一括投資の方がリターンは大きくなりやすいとされています。
理由はシンプルです。
●早く市場にお金を置いた方が
●長い期間、複利の効果を受けられる
からです。
毎年成長していく資産あるとすれば、1年早く投資した分だけ、将来の差は広がります。
ただし、ここには重要な前提があります。
一括投資の最大の不安「タイミング問題」

一括投資をためらう最大の理由は、「高値掴みになるのでは?」という不安です。確かに、投資後に価格が下がれば、 一時的に評価額はマイナスになります。
ただし、「一番安いタイミング」を正確に当てることは誰にもできません。
短期の上下は誰にも予測できず、長期で保有する前提であれば、途中の価格変動は最終的に影響しにくくなります。
この点を理解できるかどうかが、一括投資を選べるかどうかの分かれ目です。
積立投資の本当の価値
積立投資の最大のメリットは、価格変動のリスクを平準化できること です。
毎月一定額を投資することで、
●高いときは少なく買い
●安いときは多く買う
いわゆる「時間分散」が効きます。
積立投資はよく「雪だるまをゼロから作るイメージ」と表現されます。最初は小さいですが、 時間をかけて少しずつ大きくなっていく。
一方、一括投資は「すでに作りかけの雪だるまを転がしていく」イメージです。
どちらが優れているかではなく、どちらが“その人に合っているか” が重要です。
一括投資が向いている人の条件
NISAで一括投資を検討できるのは、次の条件を満たしている人です。
① 生活防衛資金が確保できている
目安としては、生活費の半年〜1年分。人によっては2年分を現金で確保している状態。
この土台がないまま一括投資をすると、途中で不安になり、続けられなくなるケースが多くなります。
② 長期で持ち続ける覚悟がある
一時的な下落で「やっぱり怖い」と売ってしまうのであれば、一括投資は向いていません。
③ NISA枠を早く使い切りたい
新NISAは 生涯投資枠が1,800万円 と決まっています。
年間360万円を使えば、約5年で枠は埋まります。早く非課税枠を活かしたい人にとって、一括投資は合理的な選択です。
それでも積立が向いている人
一方で、積立投資が向いている人も多くいます。
・投資経験が浅い
・値動きに一喜一憂しやすい
・収入や支出がまだ安定していない
この場合、「続けられること」 が何より大切です。
積立は、個人投資家に与えられた“特権”とも言えます。機関投資家は一度に巨額な資金を投じますが、個人は時間を味方につけることができます。
よくある誤解|機関投資家と同じ考え方は不要
よく「プロは一括で投資している」という話を聞きます。確かに、機関投資家はワンショットで巨額を投じます。
ただし彼らは、
・膨大な資金量
・専門チーム
・長期の時間軸
を前提にしています。
個人が無理に同じやり方を真似する必要はありません。
NISAは“目的ありき”で考える制度

NISAは、「とりあえず使えば得する制度」ではありません。
●何のために増やすのか
●いつ使うお金なのか
●本当に続けられるのか
これが曖昧なままでは、一括でも積立でもうまくいきません。
私たち一期コンサルティングが重視しているのは、ライフプランとセットで考えること です。
NISAはあくまで手段であり、人生の目的を達成するための道具にすぎません。
まとめ|NISA一括か積立か、答えは人それぞれ
今後も、
・物価上昇
・金利環境の変化
・働き方・収入の変化
は続いていきます。
だからこそ、
・「一括か積立か」
・「今やるべきかどうか」
を 一人で悩み続ける必要はありません。
・理論上は一括の方が増えやすい
・ただし、生活防衛資金と継続性が前提
・積立はリスクを抑え、続けやすい
・NISAは目的とライフプランが最優先
どちらが正しいかではなく、どちらがあなたの人生に合っているか。それを整理することが大切です。
もし、
・自分は一括でいいのか
・積立のままで問題ないのか
・そもそも今NISAをやるべきなのか
迷っているのであれば、一度立ち止まって、全体を整理してみる価値はあります。
一期コンサルティングでは、制度の説明だけでなく、人生全体を見据えた判断軸づくり を大切にしています。
無理に投資を勧めることはありません。納得したうえで進めるための“整理”が必要な方は、
お気軽にご相談ください。
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【監修者情報】

[監修者名] (株)一期コンサルティング ファイナンシャルプランナー 船田勝太
[資格] AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャルプランニング技能士/公的保険アドバイザー/住宅ロ-ンアドバイザー
[経歴]
2014年~東京海上日動火災保険(株)
2017年~(株)一期コンサルティング
[専門分野] ライフプランニング/住宅資金相談/資産運用/保険相談
※ 注意
この記事は、一般的な情報を提供することを目的としており、特定の商品やサービスを推奨するものではありません。
個別の状況については、専門家にご相談ください。



