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会社員にとっての一大イベント──それが「夏のボーナス」。
普段の給与とは別にまとまった金額を受け取れるこの時期は、家計における“臨時収入”として多くの人にとって特別なタイミングです。しかし、そのお金をどのように使うかで、将来の自分の姿を左右する可能性があります。
本記事では、ファイナンシャルプランナーが考える、「夏のボーナスを賢く使う方法」について解説します。
1. 夏のボーナスの現実を直視する
夏のボーナスは、一般的に冬のボーナスよりも支給額が少ないとされています。そのため、「ボーナス=何か大きな買い物ができるチャンス」と考えている方にとっては、やや拍子抜けするケースも少なくありません。
加えて、企業によっては業績連動で支給額が変わったり、最悪支給がなかったりすることもあるのが現実です。ボーナスは給与のように法律で保証されているものではない、という点も押さえておく必要があります。
つまり、ボーナスを当てにしない家計設計こそが本来の理想です。
2. NGなボーナスの使い方とは?
2-1. ボーナス払いに頼る住宅ローン・車のローン
ボーナスがあることを前提にローンを組んでしまうと、もし支給されなかった場合に一気に家計が破綻するリスクがあります。特に住宅ローンや車のローンで「ボーナス併用返済」を組んでしまうと、月々の負担が軽くなる一方で、いざという時に返済不能になる可能性も。
FPとしての見解は明確です──「ローン返済は月々の収支で完結させること」。
ボーナスは、ローンの繰り上げ返済などリスクのない方向に使うのは選択肢の一つですが、そもそも返済計画に組み込むのは避けましょう。
2-2. 衝動買い・浪費
ボーナスを手にすると、「せっかくだから」「この機会に」と、つい普段なら買わないものに手を出しがちです。ブランド品、高額な家電やガジェット、旅行や外食など──使うこと自体が悪いわけではありませんが、「感情に任せた買い物」は後悔することも。
お金は目標を実現するための手段にすぎません。価値の下がるモノに費やすよりも、ご自身の未来に本当に必要なもの、意味のある使い方を選ぶことが、賢いお金との付き合い方です。
3. 一期コンサルFPが推奨する「賢い使い方」3選
3-1. 自己投資に使う
若いうちの自己投資は最も価値の下がりにくいお金の使い方の一つなのではないでしょうか。スキルや経験として自分に蓄積されていくため、将来的なリターンも期待できます。資格取得、セミナー受講、読書、旅行(経験のための)など、自分の“頭の中”に価値を蓄積していくことが、将来的には年収・生きがい・選択肢の幅として返ってきます。
物の価値は時とともに変化しますが、経験は人生を豊かにし、揺るがない自分軸を育ててくれます。
3-2. 心の豊かさと精神的な健康への投資
上記の「自己投資」は、資格取得やスキルアップなど目に見える成長を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、心の健康や精神的な余裕を育むための支出も、人生を長期的に豊かにする立派な投資です。
「お金=増やすためのもの」だけでなく、
自分らしく充実して生きるための手段として、お金をどう使うかも大切です。
たとえば──
・大切な人と過ごす旅行や外食
・趣味やリラクゼーションへの支出
・自分を癒すための空間づくりや“何もしない時間”の確保
こうしたお金の使い方は、一見「消費」のようでいて、実は自分のパフォーマンスを高めるための準備とも言えます。
心身がリフレッシュされることで、仕事へのモチベーションが高まり、生産性や集中力の向上にもつながります。
結果としてキャリアの充実や収入の安定にも寄与する可能性があります。
ボーナスは「自分のために使える貴重なタイミング」だからこそ、
数字には見えにくい“心の資産”を育てるために使う、という視点を持ってみても良いのではないでしょうか。
3-3. 家計の振り返りとライフプランの見直し
ボーナスという区切りのタイミングは、「この半年、自分のお金の使い方はどうだったか」を見直すチャンスでもあります。
・固定費は無駄がないか?
・サブスクや保険は見直してもいいか?
・毎月赤字になっていないか?
家計を見える化し、将来に向けたライフプランを考えることは、お金の使い方の軸をぶらさないために極めて有効です。
単に家計や資産運用の方針を考えるのではなく、「どんな人生を送りたいか」を軸にしたお金の使い方を考えましょう。
「なんとなく貯める」「なんとなく使う」から一歩踏み出し、納得のいく使い方を見つけることによって、今後の人生において長期的価値をもたらすでしょう。
4. 「貯金」や「NISA」はどうする?
ボーナスが入ったら、すぐに貯金やNISAに回したくなるかもしれません。
しかし一期コンサルティングの立場は明確です:
「ボーナスは、そもそもないものだと思った方がいい」
企業は法律上、ボーナスを出す義務はありません。不安定な支給に頼るのではなく、
・毎月の収支で生活をコントロールする
・ボーナスは“余剰資金”として、使いたいことにだけ使う
これが私たちの考える、真に健全なお金との付き合い方です。
もちろん、貯金やNISAが悪いわけではありません。目的が明確にあれば、例えば「来年の引越し資金」や「自己投資の準備資金」など、短期・中期的な資金確保として使うのは良いでしょう。
5. ボーナスに頼らないライフプランを
「ボーナスがないと生活できない…」
「ボーナスが出なかったら赤字に…」
このような状態は、精神的にも大きなストレスとなります。
一期コンサルティングでは、
ボーナスに依存しないライフプラン設計
を推奨しています。そのために大切なのは、
・月々の収支の最適化
・固定費の見直し
・将来の支出イベントの整理
・夫婦や家族とのお金の対話
これらを土台にした、再現性のある家計設計です。
6. まとめ:夏のボーナスは“人生を整えるチャンス”
夏のボーナスは、単なるお金の支給ではありません。
・自分のお金の使い方を見直すタイミング
・人生の目的とお金の方向性をすり合わせるきっかけ
・自己投資と精神的豊かさを生む原資
一期コンサルティングでは、お客様一人ひとりの価値観や人生観に寄り添いながら、お金の使い方を一緒に考え、整えていくことを大切にしています。
「お金を通して、自分らしい人生をつくる」
そのお手伝いが、私たちの使命です。
ボーナスに頼らない、ブレない家計をつくりたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
▶ 家計見直し・ライフプラン相談はこちらから
https://ichigo-consulting.co.jp/contact/
【監修者情報】
[監修者名] (株)一期コンサルティング ファイナンシャルプランナー 船田勝太
[資格] AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャルプランニング技能士/公的保険アドバイザー/住宅ロ-ンアドバイザー
[経歴]
2014年~東京海上日動火災保険(株)
2017年~(株)一期コンサルティング
[専門分野] ライフプランニング/住宅資金相談/資産運用/保険相談
※ 注意
この記事は、一般的な情報を提供することを目的としており、特定の商品やサービスを推奨するものではありません。
個別の状況については、専門家にご相談ください。