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2024.11.26
FPが解説!知らないと損をする年末調整のポイント:最大限の控除を受ける方法
FPが解説!知らないと損をする年末調整のポイント:最大限の控除を受ける方法

1. 年末調整とは?今さら聞けない基本をおさらい

年末調整とは、給与所得者が毎月の給与から差し引かれた源泉徴収税額と、1年間の本来納めるべき所得税額の差額を調整するための手続きです。会社が従業員に代わって行うもので、過剰に徴収された税金があれば還付され、不足分があれば追加徴収されます。

年末調整と確定申告の違い 

●年末調整は、給与所得のみで収入を得ている会社員が対象。会社が手続きを行うため、自分で確定申告をする必要がありません。

●一方、確定申告は、副業収入や医療費控除など、年末調整でカバーできない項目がある場合に、納税者本人が行う手続きです。

2. 年末調整で押さえるべき最新ポイント【2024年版】

令和6年(2024年)の主な変更点

今年の年末調整には、「定額減税」が導入され、さらに申告書類の様式変更が行われています。特に、以下の変更点を理解しておくと、手続きをスムーズに進めることができます。

 

【定額減税の概要】

●対象者: 2024年分の所得税納税義務者のうち、合計所得金額が1,805万円以下の人(給与収入のみの場合は2,000万円以下)

●減税額: 納税者本人および同一生計配偶者がいる場合、それぞれ3万円の控除が適用されます。

●申告方法: 「給与所得者の基礎控除申告書」に記入し、勤務先に提出。

 

【申告書類の変更点】

1.扶養控除等申告書:前年から異動がない場合、簡易な申告書が使用可能。

2.保険料控除申告書:記入項目が簡略化され、提出がより簡単に。

3.住宅ローン控除:オンライン申告が普及し、手続きが簡略化。

3. 知らないと損をする年末調整の控除ポイント

年末調整で最大限の控除を受けるためには、各種控除をしっかり活用することが大切です。以下の控除項目を押さえておきましょう。

 

1.基礎控除

所得が2,500万円以下の納税者が対象で、最大48万円の控除が受けられます。

2.配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者の年収が150万円以下の場合、最大38万円の控除が可能です。

3.生命保険料控除

一般、介護医療、個人年金、の3種類があり、それぞれ最大4万円の控除が受けられます。

4.住宅ローン控除

住宅ローンを組んでいる場合、2年目以降は年末調整で控除を申告できます。

 

【よくあるミスを防ぐためのアドバイス】

●保険料控除証明書は10月頃に届くため、紛失しないよう注意しましょう。

●扶養控除申告書の記入ミスや提出漏れがあると、控除が受けられない場合があります。

4. 年末調整の手続きを効率化するためのコツ

紙提出 vs オンライン提出

年末調整の手続きは、従来の紙ベースだけでなく、オンライン提出も増加しています。特に大手企業では、ペーパーレス化が進んでおり、以下の利点があります。

 

●利便性向上: スマホやPCから簡単に提出可能

●紛失リスクの軽減: デジタル化により、書類の紛失を防止

●迅速な処理: 会社側の事務処理が効率化され、還付金の支払いが早くなります。

 

【書類提出時の注意点】

  • 10月〜11月に保険会社などから送られてくる控除証明書を確保。
  • 年末ギリギリに契約した場合、控除証明書が届かないことがあります。

5. FPが教える最大限の控除を受けるためのチェックリスト

【年末調整チェックリスト】

1.提出する書類の確認

・扶養控除等申告書

・保険料控除申告書

・基礎控除・配偶者控除申告書

・住宅ローン控除申告書(該当者のみ)

2.提出期限の確認:

・通常は11月末までに勤務先へ提出。

3.控除証明書の確保

・保険料控除証明書、住宅ローン控除証明書などを事前に用意。

4.オンライン提出の活用

・オンラインでの提出が可能な場合は積極的に利用し、提出ミスを防ぎましょう。

6. まとめ:年末調整を賢く活用して最大限の控除を受けよう

年末調整は、給与所得者にとって1年の税金を最適化する重要な手続きです。今年の変更点や控除のポイントを押さえて、最大限のメリットを享受しましょう。また、必要な書類を揃え、提出期限を守ることで、スムーズな還付手続きを実現できます。

 

【FPへの無料相談受付中】

年末調整に関する一般的なポイント、不安や疑問がある方は、一度ご相談すると良いかと思います。

 

【監修者情報】

[監修者名] (株)一期コンサルティング ファイナンシャルプランナー 船田勝太

[資格] AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャルプランニング技能士/公的保険アドバイザー/住宅ロ-ンアドバイザー

[経歴]

2014年~東京海上日動火災保険(株)

2017年~(株)一期コンサルティング

[専門分野] ライフプランニング/住宅資金相談/資産運用/保険相談

 

※ 注意
この記事は、一般的な情報を提供することを目的としており、特定の商品やサービスを推奨するものではありません。
個別の状況については、専門家にご相談ください