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子どもの成長を支えるために不可欠な”お金”。2024年に児童手当の大幅な改正が行われたことで、子育て世帯にとっての経済環境も大きく変わろうとしています。とはいえ、子育てには教育費、医療費、習い事費用など多岐にわたる支出があり、単に児童手当だけでは賄いきれないのが現実です。
本記事では、児童手当改正のポイントとその影響、そしてこれからの子育て資金計画の立て方について、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から詳しく解説します。子育て世帯が未来に向けて”安心できる家計”を築くための第一歩として、ぜひご一読ください。
1. 児童手当改正のポイントをおさらい
1-1. 所得制限の撤廃
これまで児童手当には所得制限があり、一定以上の年収の世帯には支給されない仕組みになっていました。しかし、今回の改正により、すべての子どもに対して所得に関係なく支給されることが決定しました。
これにより、高所得世帯も含め、広く支援を受けられるようになり、「子どもは社会全体で育てる」という理念がより強化されました。
1-2. 支給対象年齢の引き上げ
これまでの対象年齢は中学卒業(15歳到達年度末)まででしたが、改正により高校卒業(18歳到達年度末)まで拡充されました。高校生の間も手当を受けられるため、家計負担の軽減が期待されます。
1-3. 第3子以降の支給額拡充
第3子以降については、0歳から高校卒業まで毎月3万円支給されることになりました。これにより、多子世帯に対する経済的支援が大きく強化されます。
1-4. 支給回数の増加
年3回だった支給が、2カ月ごと年6回に変更されました。これにより、家計管理がしやすくなり、急な支出にも対応しやすくなります。
2. 子育てにはいくらお金がかかる?
子育てに必要な費用は想像以上に高額です。内閣府の調査によると、0歳から高校卒業までにかかる子育て費用は以下の通りです。
- 0-15歳 (中学卒業)まで:約1,900万円
- 高校3年間(公立の場合):約530万円
- 高校3年間(私立の場合):約690万円
さらに、大学まで進学した場合、以下が追加でかかります。
- 国公立大学(自宅通学・文系):約829万円
- 私立大学(自宅通学・文系):約1,003万円
つまり、0歳から大学卒業(22歳)までで、約3,200–3,600万円ものお金が必要になります。
このような莫大な費用を無理なく準備するには、児童手当の活用だけでなく、計画的な資産形成が不可欠です。
3. 児童手当拡充で子育て家計はどう変わる?
児童手当の拡充によって、家計に与える影響は大きいですが、それだけで安心するのは早計です。
3-1. 年間でもらえる児童手当のイメージ
たとえば、第3子以降がいる家庭では、年間36万円(3万円×12カ月)が支給されます。 第1子・第2子でも、中学生や高校生の間に月1万円が支給されるため、年間12万円が支給されることになります。
これは確かにありがたい支援ですが、教育費や習い事費用を含めた総額から見ると、十分とは言えません。
3-2. 支援を上手に活用するために
児童手当は家計に組み込まず、教育資金専用の貯金として管理するのがおすすめです。将来の高校・大学進学費用に備えて、確実に積み立てていくことが重要です。
4. ライフプランから逆算する子育て資金計画
弊社では、”ライフプランから逆算してお金を考える”ことを重視しています。
4-1. ライフプランを作成しよう
まず、夫婦で以下のような未来設計を話し合いましょう。
- 子どもは何人欲しいか?
- 教育方針(公立?私立?留学希望は?)
- マイホーム購入計画
- 老後資金準備の考え方
これらを具体化した上で、必要な資金をリストアップします。
4-2. いつ、いくら必要なのかを見える化する
ライフイベントごとに必要時期と金額を一覧にして把握することが重要です。教育資金だけでも、小学校・中学校・高校・大学と、それぞれのステージでまとまったお金が必要になります。
4-3. 足りない部分をどう貯めるか考える
児童手当だけでは賄いきれない部分については、
- 積立預金
- 学資保険
- 投資信託(NISAや保険など)
といった方法を組み合わせて準備していきます。
5. そもそも夫婦でお金の話ができない場合は?
弊社では、”夫婦でお金の話をするのが難しい”という悩みにも寄り添っています。
- 貯金額を聞きにくい
- 収入をどこまで共有すべきか分からない
- 生活費の分担が曖昧
こうした場合、無理に自己完結しようとせず、第三者であるFPに相談することをおすすめします。FPが間に入ることで、冷静に、かつ建設的な話し合いができるケースが多いのです。
私たちは、単なるお金の専門家ではなく、人生の相談役として、ご夫婦の未来設計をサポートします。
6. まとめ|児童手当改正をチャンスに、未来への備えを
児童手当の改正は、子育て世帯にとって大きな追い風です。しかし、それに安心せず、自分たち自身で将来に向けた資金計画を立てることが不可欠です。
- ライフプランを基に資金シミュレーションを行う
- 必要に応じて積立・保険・投資を組み合わせる
- お金の話し合いに不安があるならFPに相談する
弊社は、ご家族の未来を一緒に考えるパートナーとして、子育て世帯の家計設計を全力でサポートします。ぜひ一度、気軽にご相談ください。
【監修者情報】
[監修者名] (株)一期コンサルティング ファイナンシャルプランナー 船田勝太
[資格] AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャルプランニング技能士/公的保険アドバイザー/住宅ロ-ンアドバイザー
[経歴]
2014年~東京海上日動火災保険(株)
2017年~(株)一期コンサルティング
[専門分野] ライフプランニング/住宅資金相談/資産運用/保険相談
※ 注意
この記事は、一般的な情報を提供することを目的としており、特定の商品やサービスを推奨するものではありません。
個別の状況については、専門家にご相談ください。