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NISAで積み立てを始めた直後や、順調に含み益が出ていた時期のあとに株価が下がると、「このまま続けて大丈夫なのか」「いったん解約した方がいいのでは」と不安になる方は少なくありません。
特に、SNSや動画で「NISAは早く始めた方がいい」「とりあえずS&P500やオルカンを積み立てればいい」といった情報に触れて始めた場合、下落局面で自分の判断軸がなくなりやすいものです。
私たち一期コンサルティングは、NISAを“流行っている制度”としてではなく、ライフプランの中でどう活かすかという視点で考えることを大切にしています。
この記事では、NISAで株価が下がったときに解約を考える前に整理したいことを、FPの視点でお伝えします。
まず整理したいのは「NISA口座の解約」と「保有商品の売却」は別ということ
「NISAを解約したい」という相談の多くは、実際にはNISA口座そのものを閉じたいという意味ではなく、NISA口座で買った商品を売りたいという意味で使われています。
ここは最初に切り分けて考える必要があります。
今のNISA制度では、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、合計で年間360万円まで投資でき、生涯の非課税保有限度額は合計1,800万円です。さらに、売却した場合は、その商品の簿価分だけ翌年以降に非課税保有限度額が再利用できます。つまり、「一度売ったら1,800万円の枠が永久に消える」という仕組みではありません。
ただし、その年に使った年間投資枠そのものが当年中に戻るわけではないため、短期売買を繰り返す制度ではありません。金融庁も、新NISAは長期・積立・分散投資を通じた安定的な資産形成を想定した制度として案内しています。
株価が下がったからといって、すぐ解約を考えるべきではない理由
NISAでインデックス商品を積み立てている方にまずお伝えしたいのは、積み立ては続けてこそ意味が出やすいということです。
そもそもNISAの魅力は、増えた利益を非課税で受け取れることにあります。長く運用を続けるほど、元本に利益が重なり、その利益にもまた利益がつく、いわゆる複利の効果を活かしやすくなります。金融庁も、積立・分散投資を長期間継続することで、複利効果を享受しながら安定的な資産形成に取り組みやすいと説明しています。
逆に、下がった局面で慌てて売ってしまうと、
- 値下がりした状態で損失を確定させる
- 将来の回復局面を取り逃す
- 非課税で長く持つメリットを自分で縮める
ということになりやすい。
だからこそ、NISAは「始めること」以上に、「続けられる設計にしておくこと」が大切です。
ただし、どんな人にも“とにかく持ち続ければいい”わけではない
ここは誤解してはいけません。
私たちは、どんな人にも「絶対に売るな」とは考えていません。
もし、
- 生活防衛資金が足りない
- 近い将来に使うお金まで投資に回している
- 値動きに耐えられず、毎日相場を見て消耗している
- そもそも自分の目的に合わない商品を選んでいる
のであれば、一度立ち止まって見直すべきです。
つまり問題は、株価が下がったことそのものではなく、その運用が自分の家計や目的に合っていたかです。
成長投資枠で“ただインデックスを積み立てる”だけでいいのか

今はNISAといえば、インデックス積立を思い浮かべる方が非常に多いと思います。
もちろん、長期でコツコツ積み立てる考え方自体は王道です。
一方で、一期コンサルティングでは、成長投資枠をどう使うかはもう少し考えてもいいと捉えています。
つみたて投資枠でインデックスを長期積立する考え方と、成長投資枠で何を持つかは、本来同じではありません。
例えば、成長投資枠までインデックスの積立設定にしてしまうと、「制度は使っているが、何のためにその枠を使っているのか」が曖昧になりやすい。
配当を受け取れる仕組みを作りたいのか、優待も含めて今の生活を豊かにしたいのか、あるいはもっと別の資産形成をしたいのか。そこを考えずに“枠を埋めること”が目的になると、下落局面でぶれます。
リスクを取りたくないなら、NISAだけが正解ではない
NISAは良い制度ですが、すべての人にとって最優先とは限りません。
値動きが怖い方、元本変動に耐えにくい方にとっては、銀行預金、日本の債券、保険など、より安定性を重視した選択肢の方が合う場合もあります。
また、家計や保障が整っていないのに「NISAの枠を早く埋めなければ」と焦るのは本末転倒です。
長期投資で一番大切なのは、制度の知識より前に、途中でやめなくて済む家計と心の設計です。
NISAを解約する前に考えたい、長期投資の心構え
株価が下がったときに必要なのは、予想ではなく姿勢です。
一期コンサルティングでは、NISAに向き合ううえで次の3点が重要だと考えています。
1. NISAは短期売買の制度ではない
年間投資枠と非課税保有限度額が決まっている以上、「下がったらやめる」「上がったらすぐ利確する」を繰り返す制度とは相性が良くありません。
2. 積立は“続けてなんぼ”
インデックスを積み立てるなら、下がったときにやめるのではなく、続けられる金額設定になっているかを見直すことの方が重要です。
3. NISAの前に、家計と目的を整える
何のために増やしたいのか、いつ使うお金なのか、家計に余裕はあるのか。
そこが整っていれば、下落局面でも必要以上に慌てにくくなります。
おわりに|NISAを解約するか迷ったときこそ、制度より人生設計を見る
株価が下がると、NISAを解約したくなる気持ちは自然です。
ただ、その時に本当に見直すべきなのは、相場そのものではなく、自分の家計・目的・投資の持ち方かもしれません。
NISAは、増やすための制度であると同時に、長く続ける人ほど活かしやすい制度です。
だからこそ、解約するかどうかを勢いで決めるのではなく、「そもそも今の設計が自分に合っていたか」を整理することに意味があります。
もっと資産運用やお金、家計について相談したい方は、制度だけではなく人生全体の設計から一緒に考えていくことも大切です。
一期コンサルティングでは、NISAそのものの話だけでなく、家計・保障・ライフプランを含めた全体最適の視点で整理することを大切にしています。
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【監修者情報】

[監修者名] (株)一期コンサルティング ファイナンシャルプランナー 船田勝太
[資格] AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャルプランニング技能士/公的保険アドバイザー/住宅ロ-ンアドバイザー
[経歴]
2014年~東京海上日動火災保険(株)
2017年~(株)一期コンサルティング
[専門分野] ライフプランニング/住宅資金相談/資産運用/保険相談
※ 注意
この記事は、一般的な情報を提供することを目的としており、特定の商品やサービスを推奨するものではありません。
個別の状況については、専門家にご相談ください。



