コラムCOLUMN
「円安になると生活が苦しくなるって本当?」
「円高になったら海外旅行に行った方が得?」
「NISAで海外株に投資しているけれど、為替はどこまで気にすべき?」
ニュースでは日々、「円安」「円高」「為替介入」といった言葉が飛び交っています。
しかし、私たち生活者にとって本当に重要なのは、明日の為替が1円上がるか下がるかを予想することではありません。
大切なのは、円安・円高によって自分たちの生活や資産がどのような影響を受けるのかを理解し、必要なお金を使いたいタイミングに合わせて準備することです。
一期コンサルティングでは、為替だけを見て投資や保険を判断するのではなく、ライフプラン全体から考えることを大切にしています。
今回は、円安・円高が物価、旅行、貯蓄、投資、外貨建て保険などに与える影響と、FPとして考えるべきポイントを解説します。
そもそも円安・円高とは?
円安とは、他国の通貨に対して円の価値が下がっている状態です。
例えば1ドル=100円から1ドル=150円になれば、同じ1ドルを買うために必要な円が増えています。この状態が円安です。
反対に、1ドル=150円から1ドル=120円になれば、以前より少ない円で1ドルを購入できます。これが円高です。
この為替変動は、海外旅行や投資だけではなく、私たちの日常生活にも関係しています。
日本は原材料やエネルギー、食品、電子機器など多くの商品を海外から輸入しています。
そのため円安になると、輸入に必要なコストが増え、結果として商品の価格に転嫁されることがあります。
つまり、為替は「投資家だけの話」ではないのです。
円安になると家計にはどんな影響がある?

円安が進んだときに生活者が感じやすいのが、物価への影響です。
例えば、
- 食品
- ガソリン
- 電気・ガス
- 海外ブランドの商品
- スマートフォンなどの電子機器
といった輸入品や輸入原材料を使う商品の価格に影響する可能性があります。
そして、一度値上がりした商品やサービスが、円高になったからといってすぐ元の価格に戻るとは限りません。
人件費や物流費なども上昇しているためです。
だからこそ、「もう少し待てば安くなるかもしれない」と考えるだけではなく、本当に必要なものについては「いつ使うのか」「何のために使うのか」を基準に判断することが重要です。
海外旅行は円高になるまで待った方がいい?
円安・円高の影響が分かりやすく現れるのが海外旅行です。
円安では、ホテル代や食事代、現地での買い物など、外貨で支払う費用の円換算額が大きくなります。
そのため、
「円高になるまで海外旅行は待った方がいいのでは?」
と考える方もいるでしょう。
もちろん、為替によって旅行費用が変わることは事実です。
しかし私たちは、やりたい経験を為替だけを理由に何年も先送りする必要はないと考えています。
旅行代だけでなく、航空券、ホテル、交通費、アクティビティなども将来値上がりする可能性があります。
例えば今10万円でできる体験が、5年後には15万円になっているかもしれません。
さらに、経験には「時間」という価値があります。
今旅行をしたことで得た知識や経験は、その後の人生に積み重なっていきます。
特に子どもとの旅行や家族の思い出は、その年代だからこそ得られる価値もあります。
「円高になったら行こう」ではなく、ライフプラン上無理がないのであれば、やりたいことは計画的に実現していく。それもお金の大切な使い方です。
NISAで海外株に投資している人も為替の影響を受ける
NISAでS&P500や全世界株式などへ投資している方も増えています。
ここで忘れてはいけないのが為替リスクです。
海外資産へ投資する場合、企業そのものの成長だけでなく、円と外貨の為替変動によって円ベースでの評価額も変わります。
これまで円安が進んだ局面では、海外資産を保有していた日本人にとって為替がプラスに働いたケースもあります。
しかし、それが今後も続く保証はありません。
円高になれば、海外株式自体の価格が上昇していても、円換算したときの利益が小さくなる可能性があります。
だからといって、海外インデックス投資が悪いわけではありません。
20年、30年という長期で資産形成を考えるのであれば、企業の成長や複利効果も期待できます。
問題なのは、何のためにその投資をしているのか分からないまま続けることです。
「使いたい時に円高だった」が一番困る
例えば、子どもの教育資金を海外資産で準備しているとしましょう。
大学進学は「相場が良くなるまで待つ」ということができません。
18歳、19歳になれば学費が必要になります。
そのタイミングで大きく円高になっていた場合、想定していた金額を確保できない可能性もあります。
大切なのは、必要になる時期が近づいてきたら、運用資産の一部を現金などの値動きが小さい資産へ移すといったメンテナンスを行うことです。
当初、
「10年後に300万円必要」
という目的で運用を始め、6年目の時点ですでに必要金額を確保できているのであれば、その後もリスクを取り続ける必要があるとは限りません。
投資は始めることよりも、どう終わらせるかまで設計することが重要です。
外貨建て保険は「円安だから解約」では考えない
円安になると、
「外貨建て保険の支払いが高くなった」
「今のうちに解約した方がいい?」
という相談も増えます。
しかし、円安・円高だけを理由に解約することはおすすめできません。
まず確認したいのは、
「そもそも何のためにその保険に加入したのか?」
ということです。
教育資金なのか、老後資金なのか、保障なのか、資産形成なのか。
目的を達成できるのであれば継続するという選択肢もありますし、現在ではより目的に適した方法があるなら見直すことも考えられます。
商品によっては途中解約によって解約返戻金が抑えられる期間があったり、為替以外にも金利など複数の要素が関係したりします。
「円安だから解約」「円高だから加入」と単純に判断するのではなく、契約内容と目的をセットで確認することが重要です。
為替は予測するより「目的」を決める
為替相場は毎日動いています。
専門家であっても、何年後に1ドル何円になっているかを正確に予測することはできません。
だからこそ、私たちが大切にしているのは相場予想ではありません。
例えば、
- 5年後に家を買いたい
- 10年後に教育費が必要
- 30年後の老後資金を作りたい
- 3年後に海外旅行へ行きたい
というように、「いつ・何のために・いくら必要なのか」を先に決めます。
そのうえで、預貯金、NISA、iDeCo、保険などをどのように組み合わせるのかを考える。
これがライフプランを起点とした資産形成です。
投資や保険は「買った後」のメンテナンスが重要
もう一つ、ぜひ確認していただきたいことがあります。
現在NISAや保険、外貨建て商品などを保有している方は、
定期的なメンテナンスを受けていますか?
ということです。
契約したときには最適だったプランでも、
結婚、出産、住宅購入、転職、子どもの進学などによって、必要なお金や目的は変わります。
市場環境も変化します。
特に資産形成を目的とする商品は、「購入したら終わり」ではありません。
目的に対して順調なのか、リスクを取りすぎていないか、使う時期が近づいていないかを定期的に確認する必要があります。
私たちは、こうしたアフターフォローや金融教育まで含めてFPの仕事だと考えています。
まとめ|円安・円高に振り回されないためにライフプランを持とう
円安・円高によって、物価や海外旅行、投資、外貨建て保険など、私たちの生活にはさまざまな影響があります。
しかし、為替の動きを正確に予測して、そのたびに資産を動かすことが資産形成の目的ではありません。
大切なのは、
「何のためのお金なのか」
「いつ使うのか」
「その時までにいくら必要なのか」
を明確にすることです。
そして、状況が変われば定期的に見直していく。
一期コンサルティングでは、金融商品ありきではなく、一人ひとりの人生設計から家計・貯蓄・投資・保険を整理しています。
「円安で今の投資を続けていいのか不安」「外貨建て保険をこのまま続けるべきか分からない」「今の資産形成が本当に目的に合っているのか確認したい」という方は、一度、一期コンサルティングでライフプランから見直してみませんか。
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【監修者情報】

[監修者名] (株)一期コンサルティング ファイナンシャルプランナー 船田勝太
[資格] AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャルプランニング技能士/公的保険アドバイザー/住宅ロ-ンアドバイザー
[経歴]
2014年~東京海上日動火災保険(株)
2017年~(株)一期コンサルティング
[専門分野] ライフプランニング/住宅資金相談/資産運用/保険相談
※ 注意
この記事は、一般的な情報を提供することを目的としており、特定の商品やサービスを推奨するものではありません。
個別の状況については、専門家にご相談ください。




